Calender

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< September 2018 >>

Categories

Archives

Recent Entries

映画

永遠の二枚目|懐かしい昭和の備忘録

ここから先は、昭和世代なら誰でもが知るアラン・ドロンの代表作です。あの007シリーズで有名なテレンス・ヤング監督「バラキ」で一躍有名となった、超個性派ハリウッド俳優チャールス・ブロンソンとの共演作「さらば友よ」をご存知でしょう。私も、深夜の名作劇場で、何度も何度も眠い目をこすりながら観た、忘れ得ぬ粋なラストシーンの待っている映画でした。ひょんな事から知り合った全くタイプの違う悪党二人が、強盗に押し入った先の大金庫に閉じ込められてしまいます。しかも、中には現金も金塊もありませんでした。次第に薄くなる空気と引き換えに燃やす証券の紙切れだけだったのです。背に触れたコンクリートの温度差に気付いたブロンソンが、薄い壁の向こうに通風孔があると考え、共同して必死に穴を開けた二人は、窒息死を免れて金庫を脱出し、月曜日に銀行が開くのを気長に待つことになりました。犬猿の仲に見えた二人の間には、この時すでに友情が芽生えていたのです。当然、彼らは捕えられ、警察による現場検証となりました。共犯であれば罪を重く出来る。偶然に同じ銀行に押し入ったと言い張る二人を、捜査員たちの疑いの眼差しが囲んでいます。ブロンソンは、検証を終えて引き上げる彼らにタバコをねだりました。だが、マッチがない。ずっと目を合わさずにいたドロンの真横を通り過ぎる瞬間でした。ドロンが、手にしていたマッチを擦って火を差し出してくれたのです。ブロンソンは、彼の手を両手で包み込む様にして火を貰います。それでも、絶対に互いの目は合わさない。さらば友よ。痺れる様な、二人の男の最後の別れの挨拶でした。

 

テレンス・ヤング監督の「レッドサン」と言う映画でも、二人は共演を果たしています。そうです。黒澤明監督の「用心棒」で、一躍世界的な大スターとなった三船敏郎の共演でも話題を呼びました。あの三船美佳さんのお父様ですよね。はるばる海を渡った日本の侍たちが、アメリカの大統領に会いに行くお話しでした。親善の証に朝廷から託された宝刀を、彼らはならず者たちに奪われてしまいます。その頭がドロン。からくも捕えたならず者の一人が、チャールス・ブロンソンだったと言う訳です。ドロンと宝刀を追って、珍妙な二人の旅が始まりました。こちらも又、次第に友情を抱いて行くハートフルな物語となっています。ただ、この映画でのアラン・ドロンの役回りは実に冴えません。これほどドロンの魅力を引き出せなかった映画も珍しいのではないかと思える位です。見るたびに、とても残念な思いに駆られたファンは多かったのではないでしょうか。

 

アラン・ドロンが「ゾロ」を演じていたのをご存知ですか。最近ではアントニオ・バンデラスとキャサリン・ゼタジョーンズの「マスク・オブ・ゾロ」、古くはタイロン・パワーの「怪傑ゾロ」などが思い浮かびます。テレビシリーズとしても、日本で好評を博して来ました。

まだ幼かったドロンの息子が、「僕にも分かる映画を作って!」と懇願したことがきっかけだそうです。しかし、この映画が実に面白い。私の中では、アラン・ドロンの代表作であると言っても過言ではありません。最後の長すぎる決闘シーンを除けば、非常に小気味の良い、勧善懲悪のヒーローものに仕上がっています。CGなどない時代に、アクションスターでもない彼が、よくぞここまで軽やかなゾロを演じ切ってくれた。そう称賛せざるを得ない、痛快無比な楽しい作品でもありました。さらに言えば、マドンナのオルテンシアを演じたオッタビア・ピッコロから、凛々しいマスクの横顔にキスされるシーンにも心を奪われました。日本語吹替版の野沢那智さんの魅力が、この作品ではいかんなく発揮されています。もしも、ご覧になっていないアラン・ドロンのファンの方がおられるなら、是非お薦めしたい作品なのでした。

 

永遠の二枚目、アラン・ドロンのお話しは、ひとまずここまで。また別の記事でご紹介するかも知れません。

 
 

  • 2015.12.07 Monday
  • 18:02

Comment
Send Comment